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[2015.11.28]

Grab 'n' Read - 視覚障害者支援のための「文字読み上げカメラ」アプリ

概要とダウンロード

Grab 'n' Read (グラブンリード)は、全盲を含む視覚障害者の方が 看板やチラシ、製品ラベルなどの文字を読むのを支援するための アプリケーションです。 Windows 10が搭載されているパソコンまたはタブレットや、 Windows Phone 8.1のスマートフォンにインストールして、 カメラで対象物を撮影することによって、 文字認識と音声合成が自動的に行われ、文字を音声として聞くことができます。 アプリの入手情報は、以下のサイトを参照してください。

このアプリケーションは、「 eye eye福祉機器展2015 --視覚障害者のための生活用具展示会--」 に出展したものに改良を加え、一般向けにリリースしたものです。 (NHKの東北ニュースでも取り上げていただきました)

キーボードおよびタッチパネルの操作について

以下の操作が有効です。 ただし、Windows Phone版ではキーボード操作は無効です。

スペースキー, Grabボタン, または, テンキーの5
画像を撮影し、文字認識をかけ、音声で読み上げます。

Cキー, Camera OFFボタン, または, テンキーの割り算記号
カメラを停止します。

Ctrlキー, または, Pause/Resumeボタン
読み上げを一時停止・再開します。

Homeキー, Read againボタン, または, テンキーの7
認識された文字を最初から読み直します。

テンキーの8
読み上げを一時停止します。

テンキーの9または2
読み上げを再開します。

動作環境について

現在のバージョン(1.40)は、Windows 10が搭載されたパソコン、または、 Windowsタブレットで動作します。Windows 8.1やそれ以前の環境では 正しく動作しないことがあるので、ご注意願います。

Windows Phone版は、Windows Phone 8.1 (WP8.1)のスマートフォンで動作します。 文字認識と読み上げの言語は、システムの言語設定に従います。 WP8.1の音声合成機能がやや古い仕様のため、速度調節や音声変更には 対応していません。 スマートフォンの通常のアプリは、画面が閉じられてもバックグラウンドで 動作継続するようになっていますが、本アプリは自動的に終了して、 次回起動時に最初のガイダンス音声から始まるように作られています。

デスクトップPCやノートPCで使う場合、外付けのUSBカメラが必要です。 フルハイビジョン対応のUSBカメラの利用をお薦めします。 参考までに、アプリの開発では、ロジクール社製HD Pro Webcam C920 を使用しています。 ノートPCに内蔵されているウェブカメラも利用できますが、 一般に性能が低いことや、 利用者側を向いていて扱いにくいことから、 内蔵カメラを無効化して外付けのカメラを使うのがお薦めです。

Windowsタブレットやスマートフォンは、背面カメラのある機種が必要です。 正面カメラだけでは、非常に使いにくいでしょう。

このアプリは、マイクロソフト社から提供されている機能に強く依存 していることから、Windowsシリーズが必要です。 iPhoneやiPad、Androidなどで動作するものは作れませんので、 ご了承願います。

今後の開発について

東北大学サイバーサイエンスセンター・後藤研究室では、 視覚障害者向けの高機能な視覚補助デバイスを実現するための、 基礎的な研究を行っています。 研究成果をすぐに実用化することは難しいのですが、 可能なものから順次、このアプリに追加していくように考えています。

研究成果をアプリに取り入れるにあたっては、 製品化に相当する、プログラミングや動作検証の手間が必要です。 これらの作業について、現在、経費がないために、 十分な時間と労力が確保できていません。 アプリの売り上げ等を介して少しでもご支援いただけると嬉しいです。


(C) Hideaki Goto 2015
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